健康的に長生きする秘訣を徹底解明!林修の今でしょ!講座3時間SP!(2018年7月3日放送)海苔編
7/3(火)放送の林修の今でしょ!講座では、健康的に長生きする秘訣を徹底解明!
健康長寿が食べる朝食に秘密があった!ということで梅干し、海苔、バナナのスゴいパワーについて紹介されました。
健康長寿がよく食べる朝食のお供ランキング
1位 納豆
2位 梅干し
3位 海苔
医師が注目したのが梅干しと海苔
前回は梅干しのスゴいパワー&食べ方講座を紹介しました。
今回は海苔を紹介したいと思います。
健康長寿がよく食べる朝食のお供ランキングでも3位の海苔。海苔と聞くと、ただのご飯のお供だと思っていませんか?実はそれ違うようです。毎日の生活の中で海苔を正しくとることが健康の秘訣!
今回の講座の担当は、秋葉原駅クリニック院長 大和田 潔先生
大和田先生は総合内科医として食事と健康について研究!アメリカの学会にも所属されていて国際学会に参加。世界の最新医療を学ぶ。海苔の健康パワーにも注目し、日々研究を続けている。
朝ご飯のお供 第3位「海苔」実はスゴいパワーがあった!
そもそも海苔ってどういうもの?
そもそも海苔というのは、平安時代から日本人が使って食べてきたもの。江戸時代に養殖が始まったと言われている。実際、浮世絵にも海苔を焼く姿を描いた浮世絵がある。大和田先生によると、徳川家が海苔好きだという記述もある。
海苔は様々な種類がある。海苔は昔から高価なものだったので、1枚の大きさが決められている。昭和の時代に21cm×19cmを1枚の大きさにすることが決められた。それ以前は1枚ずつの大きさは地方によって違っていた。
海苔1枚の大きさは21cm×19cm
これを半分に切ったのが半切 手巻き寿司などに使用。
1/4の大きさにすると、コンビニのおにぎりなどに使用する4切
1/8の大きさにすると、旅館の朝食などに出てくる味付け海苔などに使用する8切
海苔の表と裏はどっち?
つるつるの方が表でザラザラの方が裏。ザラザラな方には利点があって、ご飯が引っかかりやすい。裏をご飯側にすると巻きやすい。おにぎりとかは、ザラザラな面が内側になっている。
日本人こそ「海苔」を食べるべき!
フランスの研究によると、生海苔を分解できる腸内細菌を持っているのは日本人だけだった。古くから生海苔を食べ続けてきた日本人だからこそ、腸内に海苔を分解できる細菌がいるということ。
現代人は海苔を食べる量が減ってきている。これはもったいないこと。日本人は海苔を分解できる力を持っているのだから、ちゃんと食べたほうがいい。
海苔のメリットは炭水化物が非常に少ないことと、それ自体が持ってるカロリーが低い。体を害する栄養素が少ない分、いいおおつまみ。
海苔の成分の約30%が食物繊維。そして残りの部分に、海苔に秘められた驚きの栄養素!
海苔はほとんど栄養がないと思ってる人が多い。海苔の異名は「海の牛肉」「海のワイン」「海の野菜」とか言われるように、ものすごい栄養素が豊富なもの。
海苔に含まれる栄養素
たんぱく質、脂質、炭水化物、カルシウム、リン、鉄、亜鉛、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB群、カリウム、ビタミンC、食物繊維。
海苔は植物系の食べ物の中では、トップクラスの栄養素が含まれている。同じ重量で比べたら、たんぱく質は大豆に匹敵する。
海苔自体が海藻を干したものなので、非常に吸水性がいい。腸内に入ると膨れて満腹感もある。そういう意味でも、ダイエットを続けたい方には適切な食べ物。さらに、海苔には体では作れないEPAが豊富に含まれている。EPAは青魚に多く含まれ、認知機能や血液をサラサラにしたり、血圧を下げたり、血管に良い働きが期待される。
なぜ青魚にEPAが多量に含まれている?
簡単に言うと海苔のもとの海藻を魚が食べているから。
かいそうという漢字は2つある。
海藻⇒胞子で増える
海草⇒種子で増える
胞子でクローンを作るのが海藻。海藻が岩に付着したものが岩海苔。人工的に付着させて培養したものを焼き固めたのが海苔。植物プランクトンを小魚が食べて、それを大きな魚が食べて、EPAやDHAが食物連鎖の上の方に蓄積する。だから海苔を食べて蓄積したわけではないけど、海の中の海藻類と同じものなので、海藻は魚に含まれているEPAの起源。
海苔のスゴいパワー
- 植物系の食べ物の中でトップクラスの栄養を持つ。
- 日本人は生海苔を分解する腸内細菌を持っている。
どれを選べば良い?海苔の作り方
伝統的な海苔の作り方とは?
豊富な栄養素を持つ海苔。14年連続海苔の生産量日本一を誇る佐賀県。日本で消費されている海苔の、およそ1/4が有明海で作られている。
海苔の養殖に使われるのは、長さおよそ18mの巨大な網。有明海では、この網を柱に結びつけ海に沈めて繁殖させる、支柱栽培方式が古くから用いられている。実はこの栽培方法に海苔の栄養パワーの秘密が!
まずは春先に行われる海苔のタネ付け。海苔作りは「牡蠣殻作り」から。春ごろ牡蠣の殻に、海苔の葉から採取した海苔の胞子を付着させ、水槽で培養させる。10月半ば牡蠣殻を小さなビニール袋に入れ、網にくくりつけ海に張っていく。牡蠣殻から放出された海苔の胞子が、網にくっつき成長していくという仕組み。成長の過程にポイントが!
海苔の養殖が行われるのは浅瀬。満潮時、海に漬かっている海苔は潮が引くと海から顔を出す。この時、太陽の光を存分に浴びて光合成を行うことで、たくさんの栄養を作り出す。収穫までの1ヵ月間、光合成を繰り返す。海苔の栄養素と旨味がどんどんアップ!
11月、海苔の収穫。収穫された生海苔は、干し海苔と焼き海苔という2つの方法で加工される。成形し乾燥させただけの干し海苔は、焼き海苔より磯の香りが強いが、まだ水分が多く残っているためしっとりとした食感。お寿司屋さんなどでは、干し海苔で巻き寿司を出している店もある。
一方私たちの食卓でもよく見かける焼き海苔は、250℃で約7秒加熱。完全に水分を飛ばすことで、栄養素と旨味が凝縮されている。ちなみに味付け海苔や海苔の佃煮は、ここにしょうゆ、砂糖、だしなどを塗ったり煮詰めたりしたもの。
海苔の種類によって栄養の差はある?
海苔のもとになる海藻が一緒なら同じ。韓国海苔と日本の海苔は、アマノリの一種で栄養素はほぼ同じ。佃煮とかは、塩分が多いので食べすぎに気を付けなければいけない。海苔自体は水で洗って晒しながら干すので、海苔そのものに含まれる塩分は低い。焼き海苔には無視できるほどの塩分(1枚につき0.02~0.04g)しか含まれていない。
焼き海苔は干し海苔を焼いたもの。もともと同じもの。焼くと海苔に変化が起きる。細胞壁が焼くことで壊れ、細胞壁に閉じ込められている旨味が広がる。その代わり、細胞内成分が外に出てしまっているので、吸湿性が高まり湿気りやすくなる。干し海苔を買って保存しておいて食べる時に焼くのがいい。海苔を炙る時は、火をつけて数秒おいてから炙ると美味しく仕上がる。
人間が美味しいと感じる旨味成分は、グルタミン酸10:イノシン酸1だと科学的に証明されている。海苔に含まれる割合は、グルタミン酸10:イノシン酸1!海苔の旨味成分が料理の美味しさを引き出す!
おにぎりは、お米に不足している旨味成分を海苔が補っている。パスタに海苔をかけたりするのも、足りない旨味成分を足してる。
理想的な旨味成分の割合を持つ
脳・心臓を老けさせない栄養素
全ての植物性の食べ物の中で海苔が最も多く持っている成分が葉酸。
海苔に含まれる葉酸は、脳卒中や認知症のリスクを減らし、脳を老けさせない!?
最新研究によると、葉酸が認知機能低下や、脳血管疾患のリスクを下げるという研究結果が発表された。
葉酸は、ビタミンB群の一種。ほうれん草の葉から発見。母体の中で赤ちゃんの臓器を作る時、葉酸が必要となる。脳の神経細胞、血管を若々しく保つのに葉酸が必要。
葉酸が多く含まれる野菜は、ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、アスパラガス。海苔ほど含まれているものはない。海苔は豊富な葉酸が含まれている食品。
ホモシステインとは、体内で作られるアミノ酸の一種。通常は葉酸によって分解される。葉酸が不足すると血中の濃度が上昇。血管の内側を傷つけ動脈硬化などの一因に。つまり、海苔に多く含まれる葉酸は、血中のホモシステイン濃度を低下させる。
ちなみにアメリカなどでは、パンや小麦粉などの中に葉酸をたくさん入れるよう法律で決まっている。アメリカでは、1998年に法律で穀物類への葉酸の添加が義務付けられた。葉酸の義務化を始めてから、アメリカ人の血中ホモシステイン濃度が2割減少。その結果、脳卒中による死亡率がどんどん下がっていった。
それをうけて、カナダ、イギリスをはじめ世界85ヵ国で葉酸の強化が義務化された。日本では国としての義務化はしていない。埼玉県坂戸市では、2007年から葉酸強化プロジェクトを行っている。坂戸市だけでなく、国として義務化すればいいと思うのですが。日本だけ遅れている気がします。
海苔に含まれる葉酸は食べ物の中でトップクラス!
1日に必要な葉酸をとるのにどれくらい海苔を食べればいい?
1日4枚を毎日食べなくてはならない。私たちはそれくらい葉酸を必要としている。1日4枚(21cm×19cmを4枚)も食べるなんて難しいよと思うかもしれませんが、心配ご無用。海苔だけを食べているわけでなく、いろいろな野菜を食べている。その中にも葉酸は含まれている。ですから、海苔を食べる習慣があれば葉酸の不足にならない。
国が推奨している葉酸の摂取量は、成人で1日240 µg
海苔1枚 約60 µg
ご飯+ワカメの味噌汁 約40 µg
肉じゃが 約60 µg
ほうれん草のおひたし 約90 µg
つまり、バランス良い食事で自然と葉酸を摂取!海苔だけで1日分を摂取しようとしなくてもいい。さらに、葉酸は一度体内に取り込まれると、少しずつ減少する性質をもつ。少しずつ海苔を食べれば葉酸をキープできる!
海苔と一緒に食べると葉酸をより有効に働かせるのは?
しじみの味噌汁。しじみ汁には、葉酸をより有効に働かせるビタミンB6、ビタミンB12が多く含まれている。葉酸は、ビタミンB群と摂取すると体に吸収されやすくなる。
名医オススメ!自然に葉酸がとれる海苔レシピ
納豆+海苔 トマト+レタス+海苔
刻みのりや、そのままなど形が違うと栄養素も違うのか?
含まれる栄養素が一緒だったとしても、刻んで食べた方が腸内細菌が働きやすくて、栄養素を分解しやすくて、吸収しやすいと考えられる。
海苔のスゴいパワー
健康長寿にかかせない栄養素の2つ目はタウリン
海苔に含まれるタウリンは、血管を丈夫にして心臓病のリスクを減らす!?
海苔にはすごくタウリンが多くて、タウリンは肝臓にいい働きをもっている。最新の研究結果では、肝臓だけではないタウリンが持ったすごいパワーが明らかになった。
海苔に含まれるタウリンは、心臓にある毛細血管を増やす作用があって、心臓の機能を回復させる可能性を秘めている。
心臓には無数の毛細血管が存在⇒加齢とともに減少し心疾患の原因に
本当に詰まってしまうと、そこから先は心筋梗塞。小さな梗塞がたくさんおきたりしてしまって、心臓の機能自体が衰えていってしまう。若いうちからタウリンをとるのが大事。
海苔のスゴいパワー
- 海苔に含まれるタウリンが血管を丈夫にして、心臓病のリスクを減らす。
栄養を損なわない「おにぎり」選び
私たちの身近な海苔料理おにぎり。どの具材にするか悩むところ・・・バランス良く栄養がとれる選び方とは!?
海苔というのは、それだけで非常に豊富な栄養素を持っている。完全食品ではないですから、欠けているものがある。補うような食材を選んでいただければ非常にバランスの良いおにぎりになる。
名医のおススメは唐揚げのおにぎりといくらのおにぎり。
唐揚げはたんぱく質、脂溶性ビタミンを摂取できる。鶏肉が欠けているビタミン類、葉酸は鶏肉に非常に少ないので海苔で補完するといいおにぎりになる。
いくらは、ビタミンD、アスタキサンチンを摂取できる。卵の大きさがそれほど小さくないので、尿酸値も上がりにくくていくらは組み合わせとしては良い。
海苔の足りない栄養を補うおススメ料理!
チーズ+海苔
陸のものと海のものの組み合わせになる。海苔と乳製品は非常に相性が良い。チーズに含まれる脂肪酸、たんぱく質、塩分が海苔の風味や栄養素を補完。乳製品には、認知機能低下を抑制する可能性がある短鎖脂肪酸を増やすWの効果!
海苔が湿気ってる経験ありますよね?開封した海苔を保存するなら冷蔵庫に入れましょう。一番大敵なのは湿気。湿気がどんどんどんどん海苔の香り、海苔の成分を壊していってしまう。冷蔵庫内は湿度が低く温度が一定。
しけってしまったら、もう一度焼くのが一番良くて、風味がさらに損なわれたとしても、焼けばまた香ばしさが戻ってくる。
海苔を美味しく食べるポイントは、冷蔵庫から出したら常温に戻るまで待ち軽く炙る。電子レンジでは、庫内に蒸気が中にこもるので湿気が取れない。IHで海苔を炙るときは、鍋やフライパンを熱し海苔を乗せる。
海苔のスゴいパワー